西日本皮膚科
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症例
診断に好塩基球活性化マーカー CD203c 測定が有用であった豆乳アナフィラキシーの 1 例
松木 真吾千貫 祐子新原 寛之森田 栄伸
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2013 年 75 巻 6 号 p. 496-498

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抄録

64 歳,男性。春季の花粉症の既往あり。豆乳摂取 30 分後に眼のかゆみ,咳嗽,鼻閉,蕁麻疹,気道閉塞感を自覚し,当科を受診した。アナフィラキシーと診断し入院加療を行った。CAP-FEIA 法による血清中大豆特異的 IgE は陰性であったが,Gly m4 特異的 IgE およびハンノキ特異的 IgE は陽性であった。プリックテストでは大豆,豆乳が陽性であり,豆乳アレルギーと診断した。患者が実際に摂取した豆乳を用いて好塩基球活性化試験 (CD203c 発現測定) を行ったところ,豆乳添加によって患者好塩基球 CD203c の発現増強が認められた。本症例はハンノキ花粉抗原に感作され,交差反応する大豆 Gly m4 (大豆の Bet v 1 ホモログ) によって発症した豆乳アレルギーと考えた。また,好塩基球活性化試験 (CD203c 発現測定) は豆乳アレルギーの検査としても有用である。

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© 2013 日本皮膚科学会西部支部
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