抄録
12 歳,Down 症候群の男児。7 歳頃より顔面,手足に白色小丘疹が出現し,徐々に増数してきたため,当科を受診した。両手,足,顔面に多発する数 mm までの白色小丘疹,また眼瞼周囲に汗管腫と考えられる皮疹を認めた。手背丘疹の病理組織は,表皮直下に結節状の石灰沈着を認め,Down 症候群に合併することが知られている稗粒腫様特発性皮膚石灰沈着症 (milia-like idiopathic calcinosis cutis) と診断した。 石灰沈着部位の近傍に汗管の増殖を認め,石灰沈着の発症に汗管の関連性が示唆された。