2016 年 78 巻 5 号 p. 483-486
58 歳,女性。主訴は四肢・体幹・口腔内の水疱。初診から 10 日後に腋窩などの間擦部に水疱形成があり,精査加療のため当院を紹介され受診した。病理組織学的に表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法では C3,IgG が表皮基底膜部に線状に沈着していた。1M 食塩水剝離皮膚蛍光抗体間接法で IgG が真皮側に沈着し,正常ヒト真皮抽出液による免疫ブロット法では 290 kDa のⅦ型コラーゲンと反応したため,後天性表皮水疱症と診断した。プレドニゾロン(PSL)1 mg/kg/day(60 mg)投与にて病勢は落ち着いたが,40 mg/day に減量した時点で水疱の新生を認めた。ステロイドとの併用で有効性が報告されているコルヒチン 1.5 mg/day 内服を開始し,その後は順調に PSL を減量することができた。ステロイド抵抗性があり,治療に難渋する症例ではコルヒチンの併用が有用と考えた。