西日本皮膚科
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症例
小児皮膚筋炎の2例
國見 侑花大賀 保範伊藤 宏太郎廣瀬 伸一今福 信一
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2019 年 81 巻 1 号 p. 14-17

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抄録

症例 1 : 5 歳,女児。長時間野外で過ごした後から両頰に紅斑が出現し,手指 PIP,DIP 関節背面の紅斑と爪囲紅斑および爪上皮出血点が出現した。四肢近位筋優位の筋力低下もあり,血中 CK,アルドラーゼは上昇していた。症例 2 : 4 歳,女児。両頰,後頚部の紅斑と,手指 PIP,DIP 関節背面の紅斑と爪囲紅斑および爪上皮出血点が出現した。血中 CK,アルドラーゼは上昇していた。2 症例ともにプレドニゾロン(PSL)投与にて症状が改善し治療反応性は良好であった。過去の報告と自験例をあわせて小児皮膚筋炎85例を検討した結果,頰部紅斑 89.0%(73/82 例)と Gottron 徴候 85.2%(69/81 例)は高い出現頻度を示した。初発時に筋症状のみられる例は 78.6%(66/84 例)であった。血清 CK 値は自験例の 2 例では上昇がみられたが,過去の報告では 54.3%(44/81 例)と約半数で上昇がみられた。一方でアルドラーゼは 94.6%(70/74 例)で上昇がみられ診断に有用であると考えられた。

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© 2019 日本皮膚科学会西部支部
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