西日本皮膚科
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症例
頭痛と発熱から疑い診断しえた,髄膜刺激徴候を伴わない帯状疱疹性髄膜炎の 1 例
吉田 諭宇都宮 亮黒尾 優太山西 祐輝武藤 潤佐山 浩二
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2021 年 83 巻 2 号 p. 134-137

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抄録

80 歳,女性。混合性結合組織病,シェーグレン症候群で治療をされていた。初診の 4 日前より,左頚部,左上背部,左前胸部に水疱が出現し,当院を受診した。当院を受診後,帯状疱疹と診断し,入院にてアシクロビル静脈投与を開始した。入院 3 日目より発熱,頭痛を認め,血液検査や CT 検査を施行するも,明らかな感染源は認めなかった。髄膜刺激徴候を認めなかったが,頭痛と発熱から髄膜炎を疑った。髄液検査で蛋白上昇,単核球優位の細胞数上昇を認め,PCR 法による髄液中の水痘・帯状疱疹ウイルス DNA が陽性であり,帯状疱疹性髄膜炎と診断した。帯状疱疹性髄膜炎は髄膜刺激徴候がみられない場合もあり,早期診断や加療のために,頭痛や発熱などの自覚症状のみでも髄膜炎を疑うことが重要であると考えた。

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© 2021 日本皮膚科学会西部支部
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