西日本皮膚科
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図説
“ゆびしゃぶり”が誘因と思われた足趾末節の Blistering Distal Dactylitis
江川 清文
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2021 年 83 巻 4 号 p. 289-290

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抄録

症例:6 歳,男児

主訴:右第 3 趾末節背の紅斑を伴う水疱

現病歴:受診前日,右第 3 趾末節背部の紅斑を伴う水疱に母親が気づく。

初診時現症:右第 3 趾末節背部に,紅斑を伴い白色内容を透見できる水疱を認める(図 1 )。疼痛等の自覚症状は無く,咽頭炎症状や発熱等の全身症状も無かった。

検査と検証: A 群溶血性レンサ球菌(Group A Streptococcus,以下 GAS)迅速検出キットにて,水疱内容に強陽性を得た(図 2 )。問診と検証(図 3 )により,患趾をしゃぶる癖のあることが判明した。

診断:Blistering distal dactylitis(BDD)

治療と経過:水疱内容の穿刺除去,セフジニル 240 mg の分 3 内服 1 週間とフシジン酸ナトリウム軟膏外用にて治癒した(図 4 )。検尿で異常はなかった。

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