西日本皮膚科
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症例
Enfortumab vedotin(パドセブ®)による皮膚障害の 3 例
田中 宏治隈 有希中原 真希子猪口 淳一江藤 正俊中原 剛士
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2024 年 86 巻 5 号 p. 471-475

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抄録

Enfortumab vedotin(パドセブ® 以下 EV)は,がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌に対する治療薬であるが,皮疹の出現頻度が約 5 割と比較的高い。当院で経験した 3 例について比較検討を行った。がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌に対して点滴静注後,全例 10 日程で皮疹が出現した。臨床像は紅斑丘疹型であった。当院の 3 例は皮疹のみで全身症状を伴わない症例だったが,皮疹の病理組織学的には重症化が示唆される所見であった。EV は,重症薬疹に至った症例報告もあり,治療を継続している間は軽度な皮膚障害が出現したタイミングで,皮膚科の介入が望ましい。

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© 日本皮膚科学会西部支部
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