整形外科と災害外科
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モールドタイプのセメントスペーサーの使用経験
亀井 誠治泊 一秀内田 研
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2006 年 55 巻 4 号 p. 475-481

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抄録

人工膝関節置換術(以下TKA)後の感染に対して,多くは一期的または二期的再置換術が行われる.二期的再置換術では再置換までの間,抗生物質を含有したセメントスペーサーが挿入されることが多い.従来セメントビーズやブロックタイプが用いられてきたが,伸展拘縮となる点などから,屈曲を可能にするスぺーサーを用いる報告も見られる.しかし市販されたものは,サイズが少なくしかも高価で,使用しにくい.任意の人工関節のトライアルとシリコンを用いて鋳型を作り,患者の体型に応じたスペーサーを作製する方法があり,今回我々もこのモールドタイプのスペーサーを使用する機会を得た.このスペーサーの利点として,早期の屈曲訓練や荷重歩行が可能なこと,個人に応じたサイズが作製できること,軟部組織の拘縮などを予防でき再置換時の大きな手術侵襲を回避できることなどがある.この方法について報告する.

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© 2006 西日本整形・災害外科学会
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