整形外科と災害外科
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骨粗鬆症性脊椎骨折の椎体癒合不全例の検討
豊田 耕一郎小笠 博義椎木 栄一寒竹 司及川 哲也武藤 正記酒井 和裕
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キーワード: 癒合不全, 偽関節, 骨粗鬆症
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2007 年 56 巻 1 号 p. 42-44

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抄録

麻痺のない骨粗鬆症性椎体骨折の椎体骨癒合不全例について検討した.対象は3ヶ月以上経過観察可能であった椎体癒合不全例10例11椎体で,男性1例,女性9例で,平均年齢76歳である.X 線前後,側面像に加えて仰臥位側面像を追加し,椎体内 vacumn が存在し椎体幅が増大したものを椎体癒合不全と定義した.治療は軟性または半硬性コルセットを厳密に装着し仰臥位での臥床の禁止を徹底指示した.検討項目として椎体高位,癒合不全の出現時期,椎体圧潰率,骨癒合の有無を検討し,疼痛は VAS で評価した.罹患椎体高位は L1椎体が5例と多かった.初診時から追跡可能であった5例では癒合不全の出現時期は平均3ヶ月であった.圧潰率は初診時52%,癒合不全時32%,最終26%であった.骨癒合の有無は骨癒合ありが6椎体55%に認めたが,完全癒合は2椎体18%であった.疼痛を VAS で評価すると癒合不全診断時平均8.6が最終2.6と低下していたが疼痛残存例が多かった.

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© 2007 西日本整形・災害外科学会
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