整形外科と災害外科
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整形外科悪性腫瘍におけるNotchの発現とその意義
田中 源幸瀬戸口 啓夫石堂 康弘井尻 幸成小宮 節郎
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2007 年 56 巻 3 号 p. 448-452

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抄録

Notchシグナル伝達経路は胎生発生段階に機能をしている.遺伝子分析の結果,形態発生におけるNotchシグナルは重要な役割を果たしている事が判明した.最近の研究において,様々な悪性腫瘍においてこのNotch pathwayが活性化されているとの報告があるが,ヒトの骨腫瘍において活性化しているかどうかは不明である.我々は,Notchシグナル経路について,RT-PCR法,免疫染色法検討した.γ-secretase inhibitorをHOSに添加しMTT法にてcell viavilityを検討した.すべての検体にてNotch1, 2, Jagged1のmRNAの発現上昇を認めた.免疫染色法にてHOS及び臨床検体においてNotch-ICの核内局在を認めた.γ-secretase阻害薬はNotchシグナル経路を遮断し細胞増殖が有意に抑制されている事を確認した.本研究は,Notch経路が骨肉腫の新たな治療的ターゲットとなり得る事を示唆している.

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© 2007 西日本整形・災害外科学会
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