整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
アテトーゼ型脳性麻痺を伴う頚髄症の術後成績不良例の治療経験
浦野 典子有薗 剛時任 毅藤本 俊博志田 純一福元 真一井口 貴裕
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 56 巻 4 号 p. 612-614

詳細
抄録

【目的】アテトーゼ型脳性麻痺を伴う頚椎症性背髄症に対して後方固定術後,スクリューの破損を生じた一例を経験したので,その治療経過について考察を含め報告する.【症例】30歳,男性.在胎9ヶ月,2300 gで出生.生来アテトーゼ型脳性麻痺にて坐位レベルであった.頚部痛出現の3ヶ月後より両上下肢筋力低下,尿失禁出現し,当科紹介受診.頚椎症性脊髄症の診断にて後方固定術(C2~Th1)を施行した.術後創感染認め,抗生剤投与行い,徐々に沈静化した.術後4週単純X線にてC2セットスクリューの転位を認め,再度手術を行った.術中,深部にまで及ぶ感染性の不良肉芽,C2右側のセットスクリューの脱転及びC2左側のスクリューヘッドの破損を認めた.術後2ヶ月時点で上肢機能の改善が得られている.

著者関連情報
© 2007 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top