2007 年 56 巻 4 号 p. 615-618
【目的】健常人において,各種の肩関節筋力テスト結果を検討して,その特徴を示すことである.次に,利き手―非利き手間に筋力差があるかどうかを確認することである.【対象及び方法】肩の愁訴のないボランティア30例(男性が15例,女性が15例)を対象とした.平均年齢は36歳であった.両肩の筋力測定は徒手筋力測定器(MICROFET)を用いて測定した.各テストを3回計測して,平均値をもとめた.臨床筋力テストは外転筋力テストが40度テスト,Jobeテスト,90度テストの3種類とした.外旋筋力テストはISPテストとER IIテストの2種類,内旋筋力テストはBelly pressテストとSSCテストの2種類とした.【結果】外転筋力を100とすると外旋筋力は115,内旋筋力は160となった.利き手―非利き手間の筋力差は内外旋筋力テストではなく,外転筋力テストの中でJobeテストと90°テストにて有意差を認めた.女性の筋力は男性の60~70%であった.