整形外科と災害外科
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途中6ヶ月で骨吸収像を認めてからも術後約1年で骨癒合を得ることが出来た3例
田中 寿人小峯 光徳黒川 宏亮
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2008 年 57 巻 1 号 p. 27-30

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抄録
【症例】症例1.22歳,男性.AO43-C1.術後6ヶ月で腓骨の骨吸収像を認め,Gapを3mm認めたが,裸子,プレートの固定性良好.術後1年で癒合した.症例2.72歳,女性.AO43-C1.3の開放骨折.術後6ヶ月で内果tension band wiring部の骨吸収像を認め,Gapを2mm認めたが,術後1年2ヶ月で癒合した.症例3.64歳,男性.AO43-A3の開放骨折.術後6ヶ月で腓骨の骨吸収像を認め,Gapを3mm認めたが,裸子,プレートの固定性良好.術後1年で癒合した.【考察】術後6ヶ月経過して骨癒合がみられず,骨吸収像を認めた場合,偽関節と診断することが多いが,今回の症例はその後骨癒合を得ることができた.3例とも,内固定の固定性は良好であった.また骨吸収を認めた時期において,非骨折部に骨膜反応を認め,ここから骨膜化骨化が伸張し,癒合したと考えられた.【結語】固定性が良好で骨膜反応があれば,ゆっくりと骨癒合する可能性があった.
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© 2008 西日本整形・災害外科学会
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