抄録
下腿皮膚欠損に対してVAF (Veno-accompanying artery fascio-cutaneous) flap,V-NAF (Veno, neuro-accompanying artery fascio-cutaneous) flapを用いて被覆した.症例は26例27肢で男性20例,女性6例7肢,手術時年齢は3~78歳(平均43歳),術後経過観察期間は1ヵ月~9年(平均2年4ヵ月)であった.症例の内訳は外傷性皮膚欠損7例,骨髄炎7例,軟部腫瘍切除後5例,難治性潰瘍3例(4肢),関節拘縮2例,TKA術後皮膚壊死,化膿性膝関節炎各1例であった.小伏在静脈を用いた皮弁は18例19肢(うち15肢に腓腹神経を含む)で大きさは5.7cm×3.4cm~13cm×10cm,大伏在静脈を用いた皮弁は8例(うち4例に伏在神経を含む)で5cm×4.5cm~11cm×8cmであった.皮弁は完全生着22肢,部分壊死5肢であった.部分壊死例では感染の持続が3肢,術後感染,皮弁の血行不良を各1肢に認めた.