整形外科と災害外科
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大腿骨近位部骨折における手術待機日数と合併症および医療費の関連
前田 和政本川 哲宮路 剛史石井 英樹光武 聖史
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2008 年 57 巻 2 号 p. 316-318

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抄録

高齢者は多くの合併症があり,早期に手術を行なうことが困難であることが多い.また待機することで,さらに合併症を起こす可能性も高い.今回の目的は合併症が医療費にどう影響するのか調査することである.2004年~2005年に手術加療を行った60歳以上の大腿骨頚部・転子部骨折94例を対象とした.女性69例,男性25例.平均年齢は80.2歳であった.診断は大腿骨頚部/転子部骨折がそれぞれ50/44例であり,症例に応じて手術を行った.合併症,手術までの待機日数,在院日数,および医科診療報酬点数表から医療費を調査した.入院後,術後の合併症により在院日数が長くなり,入院医療費は高くなった.合併症を起こさないよう早期の手術加療と適切な術後管理を行うことが,在院日数を短縮し医療費の削減につながると考える.

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© 2008 西日本整形・災害外科学会
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