2009 年 58 巻 1 号 p. 1-6
比較的稀である腰椎化膿性椎間関節炎を2例経験したため,文献的考察を加えて報告する.【症例1】58歳女性,誘因なく発熱・腰痛が出現.単純レントゲン・CTで右L4/5椎間関節の骨融解像があり,MRIでは傍脊柱筋と硬膜外に膿瘍を疑う輝度変化を認め,腰椎化膿性椎間関節と診断した.【症例2】62歳女性,1カ月前から発熱・腰痛あったが,内服薬で経過観察となっていた.腰痛増強し当院を受診した.単純レントゲンでは左L5/S椎間関節は不鮮明であり,MRIでは左L5/S中心に硬膜外膿瘍認めた.骨シンチでも左L5/Sに強い集積を認め,化膿性椎間関節炎と診断した.2例とも術中採取した膿瘍から起因菌を同定でき,効果的な抗菌薬を投与できた.また,術直後より腰痛は著明に軽減した.