整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
リネゾリドが有効であったMRSA脊椎感染症の治療経験
福永 絵里奈川内 義久鮫島 浩司富村 奈津子山下 芳隆山王 朋佳小宮 節郎
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 58 巻 1 号 p. 7-9

詳細
抄録

近年,高齢化やcompromised hostの増加などによって整形外科領域におけるMRSA感染症は増加傾向にある.MRSAに対する薬剤では,vancomycin(VCM),teicoplanin(TEIC)が代表的であるが,骨への移行性の問題や,内服治療剤がないことなど整形外科領域では必ずしも有効ではない症例もある.最近,そのような症例に対し,linezolid(LZD)が有効であったという報告が散見される.今回我々もLZDが有効であったMRSA脊椎感染症を経験したので報告する.症例は化膿性脊椎炎と診断した男性3例,女性2例の5例である.感染経路は血行感染4例,術後感染1例であった.LZD使用の理由としてはVCMの効果が不十分であったものが4例,VCMアレルギーが1例であった.LZDの投与期間は15~86日(平均41.4日)で,副作用として汎血球減少を3例に,食欲不振を4例に認めた.

著者関連情報
© 2009 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top