整形外科と災害外科
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指節間関節の変形性関節症と骨密度の経時的関連性の検討
土屋 卓人竹内 慶法戸羽 直樹
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2009 年 58 巻 2 号 p. 206-209

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抄録

指節間関節の変形性関節症(hand OA)は加齢に伴う変化であり,骨粗鬆症の危険因子という報告も散見されるが,その多くが横断研究によるものである.そこで今回hand OAの罹患数と骨密度の経時的変化との関連性を検討した.対象は骨粗鬆症検診を行った女性のうち,5年以上の経過観察が可能であった35例(調査開始時平均年齢69.6歳,平均追跡期間7.9年)で,初回と追跡後のhand OA罹患数を計測し,OA罹患数が増加した群と不変であった群間で骨密度の変化を統計学的に検討した.OAは骨密度測定(DIP法)に使用した左手の単純X線正面像を用いKellgren-Lawrence分類のgrade II以上とした.初回測定時OA罹患数は高齢者ほど多く罹患していたがBMD値との相関は認められなかった.追跡期間中にOAが増加した群(22例)とOA変化が無い群(13例)との間にBMD平均変化率での有意差は認めなかった.

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© 2009 西日本整形・災害外科学会
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