整形外科と災害外科
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高位脛骨骨切り術後偽関節に対し人工膝関節置換術を行った一例
永田 武大中村 英一鬼木 泰成岡元 信和西岡 宏晃田中 あづさ水田 博志
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2011 年 60 巻 2 号 p. 176-180

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抄録

【目的】高位脛骨骨切り術(HTO)後の偽関節に対する人工膝関節置換術(TKA)では,偽関節部を整復後,骨切りし,延長ステムを用いる術式が報告されている.今回我々は,偽関節部の矯正を行わず,そのまま骨切りを行ったTKAの1例について報告する.【症例】78歳,女性.両側の内側型膝関節症に対し,近医にてHTOを施行された.術後1年時骨切り部は癒合せず,歩行困難な為,当科外来を受診した.初診時,両膝には腫脹がみられ,可動域は15°~145°であった.X線上FTAは右202°,左198°で,両側とも脛骨後傾角は35°で,骨切り部には可動性がみられ,HTO後偽関節と診断した.治療は,両膝に対し,近位骨片をそのままの位置で骨切りし,脛骨コンポーネントに延長ステムを付け,偽関節部を固定するようにTKAを行った.術後6ヶ月の現在,両側とも偽関節部の骨癒合は得られ,ADL上疼痛は消失している.

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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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