2011 年 60 巻 2 号 p. 258-262
FDG-PET/CTは原発不明癌の診断等に有力な検査法である.近年,この検査法を肉腫に対する化学療法効果判定に応用する報告が見られる.今回,当科で経験した4例からその有用性を検討した.症例は骨肉腫2例(13歳,14),Ewing肉腫2(6,21)である.基本的に化学療法開始前と手術前にFDG-PET/CTを行いSUVとMRI所見,病理組織所見で比較検討した.骨肉腫FDG-PET/CT 2例ではSUV1(化学療法前)3.6,5.0であったが,SUV2(化学療法後)2.1,2.0と低下した.病理学的にも腫瘍壊死率90% 以上であった.Ewing肉腫の2例ではSUV1 9.3,3.86であったが,SUV2 1.93,0と低下した.どちらも腫瘍壊死率90% 以上であった.今回の結果から,FDG-PET/CTは鋭敏に腫瘍細胞の活動性を評価でき,化学療法の治療効果判定において有力な検査であった.