整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
骨粗鬆症の治療におけるucOC(低カルボキシル化オステオカルシン)検査の実際
岸川 陽一
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 60 巻 3 号 p. 477-479

詳細
抄録

OCはビタミンK依存性にγ-カルボキシラーゼによってグラ化されてハイドロキシアパタイト中のカルシウムと結合可能なcOC(カルボキシル化オステオカルシン)となる.グラ化されなかったOCであるucOC(低カルボキシル化オステオカルシン以下ucOC)は,ビタミンK不足と骨代謝回転の両方を表す骨代謝マーカーであるため,骨代謝回転によって骨折のカットオフ値が異なる.一般的にはucOC4.5とされ,BPにより低骨代謝回転となっている場合には,ucOC2.6とされている.ucOCは,NTXなど骨吸収マーカーを測定した上での判断が望ましい.薬剤別ucOCの値は他の薬剤に比べてBP群では統計的に有意に低い値を示した.ucOC値はNTX値と相関を示した.VK2併用例ではucOC減少率は高くなる.また,ucOC減少率は,BP群の方がRLX群より高い.

著者関連情報
© 2011 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top