抄録
中高年女性13名(平均年齢67.5±3.3歳)に対し,約2.5ヵ月間の体幹・下肢健康(貯筋)運動〔椅子座り立ち,もも上げ,せのび,下肢外転,上体起こしの5種類〕を指導し,以下の2つの知見を得た.(1)運動期間後では運動前に比し,全身身体組成(DEXA)上,全身と下肢の除脂肪骨体重・下肢骨密度の増加,全脂肪量・体脂肪率の減少が,それぞれ統計学的に有意に観察された.(2)運動群の運動後の左大腿骨頸部においては,Ward領域骨密度の有意な増加が認められた.なお,荷重運動非指導の対照群女性8名(平均年齢65.3±5.7歳)では,上述のような有意な変化は一切認められなかった.以上より,中高年女性に対する体幹・下肢健康(貯筋)運動は,有益であると考えられた.