抄録
当院は鹿児島市北部に位置し,2007年より大腿骨頚部骨折地域連携パスに鹿児島市では最初に取り組んできた急性期病院である.一方,南部では,鹿児島赤十字病院が管理病院となり,2008年より連携パスを使用している.今回,鹿児島市南部との連携合併を行い,統一パスを使用する試みを行った.2010年4月~10月まで当院にて大腿骨頚部骨折にて手術治療した33名(男性5名,女性28名)を対象とし,連携パスの使用率を以前と比較し,その動向の原因を調査した.連携パス使用は4月~7月が56%,8月~10月が100%であり,以前(18.2%)より改善していた.合併において,スタッフにパスの浸透が図られた結果と考えられた.試運用したばかりで,バリアンス解析による患者アウトカムへの貢献などを今後検討すべきと考えられた.