整形外科と災害外科
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L5-S1 transdiscal screwによる腰仙椎後方椎体間固定術4例の経験
加藤 剛齊藤 太一犀川 勲入江 努田中 哲也井浦 国生
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2011 年 60 巻 4 号 p. 773-779

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抄録
腰仙椎椎体間固定にはさまざまな手術方法があるが,中でも1994年にAbduらにより報告されたPedicular Transvertebral Fixation(以下,PTSF)は,一般的に使用されているpedicle screw(以下,PS)を用い施行可能で,腰仙椎椎体間固定を,L5/S1椎間板を貫通するtransdiscal screw(以下,TDS)により得る手法である.本法では1)TSDがS1及びL5椎体終板を貫通するために腰仙椎体間の固定力が強く,結果的にpull outが生じにくく,2)S1に対してスクリュー刺入方向にL5椎体が存在することで,腹腔内臓器損傷のリスクが少なく,また3)高度すべりに対してはTDS刺入方向が脊椎の軸に対してより垂直に近くなるため従来のPLIFやPLFにおけるS1のPS挿入よりも手技的に簡便である等,数々の利点がある.2007年より当科でも,PTSFによる腰仙椎椎体間を4症例(高度骨粗鬆症(2例),L5椎弓低形成(1例)及び高度のすべり(1例))に施行した.本手法は,手技的にも簡便で全症例において良好な治療成績及び椎体間骨癒合が得られたため,従来のPLIFやPLFと同様に有益な手術方法のひとつと考えられた.
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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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