整形外科と災害外科
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DVR®掌側ロッキングプレートを用いたDSS法による橈骨遠位端骨折治療
石井 英樹浅見 昭彦重松 正森田中 博史角田 憲治樋口 健吾
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2012 年 61 巻 3 号 p. 406-409

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抄録

【目的】橈骨遠位端骨折に対しDePuy社製DVR® Anatomic Volar Plate System(DVR)を用いたDouble-tiered Subchondral Support(DSS)法による治療を検討すること.【対象】DVRにて治療した橈骨遠位端骨折10手(平均年齢67.6歳).AO分類A3.3: 4手,C3.1: 5手,C3.2: 1手で8手に尺骨骨折の合併を認めた.【方法】可動域,握力などの臨床評価と術直後から最終経過観察時の単純X線写真上の矯正損失を評価した.【結果】最終経過観察時,関節可動域や握力など臨床評価は良好でX線学的評価でも矯正損失はごく軽度認めるのみであった.【考察】このプレートはOrbayが提唱する‘Watershed Line’を越えない様にデザインされている.また遠位1列目から掌側の,2列目から背側の関節軟骨下骨を支持固定するDSS法を使用できることも特徴で,今回の結果からも矯正損失を認めず,橈骨遠位端骨折に対して良好な固定材料となり得ると考える.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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