整形外科と災害外科
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鏡視下腱板修復術後の早期腱板筋訓練は腱骨癒合に影響するのか?
石谷 栄一小橋 芳浩園田 康男
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2012 年 61 巻 4 号 p. 832-835

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抄録

【目的】従来は腱板修復術後に肩外転固定装具を使用して腱板筋訓練も術後1ヵ月過ぎて施行していた.目的は術後数日からの早期腱板訓練が腱骨接合部癒合へどのように影響するかを調査することである.【対象】大断裂以下で重層固定法(DR)かブリッジ法(BS)を行い,術後6ヵ月にMRI施行した86例を対象とした.腱板訓練の時期と術式にて,早期DR群28例,早期BS群17例,1ヵ月DR群16例,1ヵ月BS群25例の4群に分類した.腱骨癒合はMRI菅谷分類で評価し,タイプ4&5を癒合不全とした.【結果】全体の癒合不全率は早期群13.3%,1ヵ月群14.6%で有意差はなかった.術式別の癒合不全率は早期DR群14.3%,早期BS群11.8%,1ヵ月DR群12.5%,1ヵ月BS群16.0%であった.【結論】早期群は1ヵ月群と同等の癒合不全率であった.腱骨接合部癒合において早期腱板訓練は良くはなかったが悪影響もなかった.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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