整形外科と災害外科
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術後内側弛緩によりポリエチレンの後方脱転をみとめたOxford型人工膝関節単顆置換術の1例
中島 武馬井手 衆哉米倉 豊園畑 素樹馬渡 正明
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2012 年 61 巻 4 号 p. 836-839

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抄録

Mobile型Oxford Unicompartmental Knee Arthroplasty(Oxford UKA)後にポリエチレン(PE)の脱転を生じた1例を報告する.症例:79歳男性.左変形性膝関節症に対しOxford UKAを行った.左膝内顆部骨切りの際,屈曲gap,伸展gapを4mmに決定しミリング(または骨切り)を行った.骨セメントを用いてimplant固定後,スペーサートライアルは4mmでtightであったため,PEは3mmを選択し挿入した.術後4カ月ごろ,歩行困難が出現し,X線にてPEの後方脱転を認めた.再手術時PEが回転した痕跡はなく,後方に脱転していた.術中所見では外反stressにて,屈曲・伸展共に約8mmの内側関節裂隙の開大を認めた.脛骨implantを抜去し表面を平坦化後,8mmのfixed type implantを設置した.今回,脱転直前に撮影していたstress X線撮影において,内側関節裂隙が開大し,関節弛緩の進行を認めた.UKA術後に関節弛緩が進行する場合は,PEの脱転が生じる恐れがあり,注意を要すると思われた.

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© 2012 西日本整形・災害外科学会
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