抄録
【はじめに】腫瘍用人工膝関節再置換術後に深部感染を生じ治療に難渋した1例を経験したので報告する.【症例】症例は49歳の男性である.S60年に右大腿骨遠位部の骨肉腫に対し広汎切除術および人工膝関節置換術がなされていた.大腿側ステムの緩みのためインパクションボーングラフトを併用した再置換術を行った.4ヶ月後にステム先端で骨折したためロッキングプレートで固定した.術後18日目に創部より排膿ありMRSAが検出された.感染に対する治療は,人工関節を温存したまま3回のデブリードマンと抗生剤含有セメントビーズ挿入を行ったが鎮静化が得られなかった.そのため人工関節を抜去し2回のデブリードマンと抗生剤含有セメントスペーサーを挿入,軟部組織の安定化目的でリング式の創外固定を追加した.感染発症から7ヶ月でようやく鎮静化し人工膝関節再置換術を行った.以後感染の再燃はみられていない.