整形外科と災害外科
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悪性転帰をたどったSolitary fibrous tumorの治療経験
内山 迪子宮田 倫明富田 雅人松尾 洋昭前原 史朋竹内 潤尾﨑 誠
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2014 年 63 巻 1 号 p. 166-169

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抄録

【はじめに】転移・再発をきたしたSolitary fibrous tumor(SFT)の3例を経験したので報告する.【症例1】71歳女性.頸部発生の軟部腫瘤に対し切開生検にてSFTの診断となる.腫瘍摘出術が行われたが1年後に再発し,さらに数年後には多臓器へ転移を認めた.【症例2】72歳女性.頭蓋骨発生のSFTに対して切除術を施行.5年後に左恥骨部への転移を認め,陽子線照射を行い現在転移巣の縮小を認めている.【症例3】51歳女性.右肘橈側に腫瘤を認めていたが5年間放置していた.腫瘤が増大したため摘出術を施行されたが,7ヶ月で再発し現在多臓器への転移を認めている.【考察】SFTの多くは予後良好とされるが,悪性転帰をたどる例も少なくないため注意深い経過観察が必要である.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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