整形外科と災害外科
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上腕骨偽関節に対する血管柄付き骨・骨膜移植術の検討
高橋 洋平村松 慶一小笠 博義橋本 貴弘田口 敏彦重冨 充則
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2014 年 63 巻 3 号 p. 418-421

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抄録

【はじめに】当科では外傷後の上腕骨難治性偽関節に対して血管柄付き骨移植を応用し治療を行ってきた.これまでの成績を報告し,その適応について再考する.【対象および方法】症例は25例(男性11例,女性14例)であった.手術時年齢は24~80歳で4例に感染を合併していた.手術法の内訳は,近位部3例に有茎肩甲骨移植,骨幹部の骨欠損が少ない12例に大腿骨内上顆からの骨・骨膜移植,骨欠損例や肘関節近傍の10例には腓骨移植を行った.【結果】骨幹部の骨・骨膜移植の2例で骨移植追加を行ったが,全例で骨癒合が得られ,採骨部の重篤な合併症は認めなかった.【考察】上腕骨難治性偽関節の報告数は減少傾向にあり,当科でも本法の適応例は減少している.これは主にインプラント改良に伴う骨折治療の進歩によると考えるが,骨欠損が大きな外傷例や偽関節部の骨萎縮が高度な難治症例には,血管柄付き骨移植術を検討するべきである.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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