2015 年 64 巻 2 号 p. 265-267
当院では,化膿性膝関節炎に対して滑膜切除術を行い,その後はドレナージ単独で治療を行っている.当院での化膿性膝関節炎の治療成績について検討したので報告する.2006年から2013年に当院で治療した14例15膝を対象とした.男性が7例,女性が7例,平均年齢は73.1歳であった.関節鏡視下滑膜切除術を13例に,直視下滑膜切除術を1例に行い,術後は開放式ドレーンを留置した.全例とも抗菌薬の多剤併用療法を行った.起炎菌はメチシリン感受性黄色ブドウ球菌が6例,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌が2例,グラム陽性連鎖球菌が4例,グラム陰性桿菌が2例であった.C反応性蛋白は11例で陰性化し,その平均は術後44.7日であった.Ballardの評価基準はgoodが10例,fairが2例,poorが2例であった.当科における化膿性膝関節炎14例の治療成績はおおむね良好であった.