整形外科と災害外科
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膝窩嚢腫を伴った化膿性膝関節炎の1例
前原 史朋崎村 俊之安達 信二野口 智恵子水光 正裕矢部 嘉浩
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2015 年 64 巻 2 号 p. 275-277

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抄録

膝窩嚢腫は日常の診療でよく遭遇する膝窩部に生じる嚢胞性病変である.しかし膝窩嚢腫を伴った化膿性膝関節炎の報告は少なく,治療法も確立されていない.今回,膝窩嚢腫を伴った化膿性膝関節炎の1例を経験したので報告する.症例,77歳,男性.以前より両膝痛があったが,明らかな誘因なく左膝痛が増強した.水腫の貯留があり近医で数回の穿刺を受けるも改善せず,約1ヵ月後に当科初診となった.当科初診時の穿刺液の培養でMRSAが検出された.またMRIで化膿性関節炎を疑う所見と共に膝窩嚢腫を認めた.培養結果が出た当日からバンコマイシン投与を開始し,同日緊急に鏡視下関節内デブリドマンおよび観血的膝窩嚢腫切除を行った.術後3日関節内と膝窩部に吸引ドレーンを留置した.術後4週でCRPは陰性化し,6週で抗菌薬投与を終了した.術後4ヵ月のMRIで膝窩嚢腫の再発は認めず,術後半年で感染の再燃なく経過した.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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