整形外科と災害外科
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膝関節を初発とする高齢発症関節リウマチの検討
中谷 優子山本 哲章村田 雅明村岡 智也川口 馨須田 博子
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2015 年 64 巻 4 号 p. 797-801

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抄録

2012年6月から2013年11月に当院を受診した高齢発症関節リウマチ(elderly-onset rheumatoid arthritis:以下EORA)の中で,膝関節を初発とした6例の治療経験について報告する.症例は男性が1例,女性が5例,平均発症年齢は80.3歳であった.5例は前医で変形性膝関節症にて加療されていた.初診時の平均CRPは8.57 mg/dl,平均MMP-3は373.8 ng/mlであった.治療は,メトトレキサート(以下MTX)を基本とし,MTXの効果が不十分な5例に対し,平均2.6か月の比較的早期より生物学的製剤を導入し,全例で良好なコントロールを得た.EORAは膝関節などの大関節に発症し,急速に関節破壊が進行することがある.近年高齢者に対する生物学的製剤の有効性・安全性が報告されており,発症早期に生物学的製剤を使用することで良好なコントロールが可能となった.大関節より発症したEORAは,症例によって積極的に生物学的製剤を導入し,関節破壊を回避したほうがよいと思われる.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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