整形外科と災害外科
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長母指伸筋腱皮下断裂に対し術後早期運動療法を行った局所麻酔下腱移行術の検討
渡辺 恵理髙﨑 実畑中 均上條 秀樹
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2016 年 65 巻 1 号 p. 58-61

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抄録

(目的)今回我々は,当院で長母指伸筋腱皮下断裂に対して局所麻酔下に固有示指伸筋腱の腱移行術を行い,術後に早期運動療法を行った5例の成績について報告する.(方法)手術は,エピネフリン入り局所麻酔下でターニケットを使用せずに施行した.固有示指伸筋腱を長母指伸筋腱に2~3回interlacing sutureを行った後に,自動運動を行い,腱移行の緊張度を最終決定した.術後1週以内からセラピストの監視下で自動可動域訓練を開始し,その後は屈曲制限付きのthumb spica splintを使用した.術後4週でほぼsplintを除去した.(結果)最終経過観察時の%TAMは,平均94.1%であった.Riddellの評価基準では,excellent4例,good1例であり,良好な結果であった.(結論)長母指伸筋腱皮下断裂に対し,術後早期運動療法を行った局所麻酔下腱移行術の成績は良好であった.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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