整形外科と災害外科
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人工股関節全置換術を受けた関節リウマチ患者の患者背景の変化
田中 里紀長嶺 里美北島 将河野 俊介園畑 素樹馬渡 正明
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2017 年 66 巻 2 号 p. 283-285

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抄録

【はじめに】THAを行ったRA患者の患者背景を調査した.【方法】2000~2015年にRA股関節症に対し初回THAを行った82例108股の手術件数の推移,患者背景,術前X線を調査した.2000~2007年を前期群,2008~2015年を後期群に分けて比較検討した.【結果】RAに対して行われたPrimary THAは108/6831件(1.6%)であり,前期群は2.1%,後期群は1.2%と減少していた.手術時平均年齢は後期群で有意に高く,罹病期間に有意差はなかった.他関節障害合併率は減少し,ステロイド使用率は変化なく,MTX・生物学的製剤使用率は増加していた.X線評価ではLarsen分類のGradeⅢの症例が増加し,GradeⅣ,Ⅴの症例は減少していた.【結論】手術件数は減少し,対象患者は高齢化する傾向にあり,RAに対する薬物治療内容の急速な進歩に伴うものと考えられた.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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