整形外科と災害外科
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発症機序の異なる大腿骨頸部疲労骨折の治療経験
前田 昌隆東郷 泰久松山 金寛本木下 亮俵積田 裕紀眞田 雅人小倉 雅藤井 康成瀬戸口 啓夫小宮 節郎
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2017 年 66 巻 3 号 p. 565-567

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抄録

大腿骨頸部疲労骨折を発症した女性長距離走選手2例の治療経過と発生機序の推察を報告する.【症例1】20歳女性,18歳から稀発月経で体脂肪率8%台,腰椎骨密度Young Adult Mean(以下,YAM値)110%.受傷前から左鼠径部に違和感あり,左股関節痛が増悪.MRIでtransverse typeの疲労骨折と診断.左腸腰筋と外旋筋部にもT2で高輝度変化を認めた.【症例2】19歳女性,15歳から続発性無月経で体脂肪率13%台,エストラジオール値(以下,E2)17%・骨代謝は高回転型・腰椎骨密度YAM値90%.受傷前から右鼠径部痛があり,痛みが続き,MRIでcompression typeの疲労骨折と診断.【考察】症例1は,左腸腰筋・外旋筋の筋損傷に伴う機能不全が荷重時の支持性低下を来し骨折に至り,症例2は,Female Athlete Triad(以下,FAT)が主要因と考えた.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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