整形外科と災害外科
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長時間仰臥位手術後に発症した右下腿well-leg compartment syndromeの1例
吉村 直人入江 弘基中村 英一水田 博志
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2018 年 67 巻 2 号 p. 234-237

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抄録

仰臥位手術後に発症したwell-leg compartment syndrome(WCLS)の稀な1例を経験したので報告する.【症例】43歳,女性.子宮頚癌に対して全身麻酔下に開腹子宮腫瘍切除術を施行された.両下腿に弾性ストッキングを装着し,仰臥位で5時間46分の手術であった.麻酔覚醒直後より右下腿の疼痛と腫脹を認め,コンパートメント圧は前方区画58 mmHg,浅後方区画57 mmHgであった.compartment syndromeと診断し,術後6時間経過時点で減張切開術を施行した.術後5週間で植皮なく閉創可能となった.術後2年経過した現在も下垂足が残存し,短下肢装具を使用している.【考察】WLCSのリスク因子として体位(砕石位,トレンデレンブルグ位),長時間手術や弾性ストッキング装着等が挙げられる.過去の報告では砕石位手術が多く,仰臥位で発症した例は稀である.術直後の下肢compartment syndromeとして本疾患の存在を認識して対応する必要がある.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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