整形外科と災害外科
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人工関節全置換術における術中骨切り手技の誤差の検討
―Image free navigationを用いた検証―
清原 壮登城戸 秀彦加茂 健太城戸 聡太田 昌成
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2018 年 67 巻 2 号 p. 354-357

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抄録

【目的】人工膝関節全置換術(以下TKA)においてimage free navigation system(以下Navi.)を使用し,大腿骨遠位・前方,脛骨近位の術中骨切り手技の誤差について検討した.【対象】内側型変形性膝関節症に施行したTKA 67膝とした.男性17膝,女性50膝,平均年齢は78歳であった.【方法】Navi.にて大腿骨遠位・前方,脛骨近位の骨切り面を設定,それに合わせて骨切りガイドを設置して骨切りを行った.骨切り手技の精度をNavi.で検証し,目標の誤差1°未満になるまで骨切りを追加した.【結果】初回の骨切りで目標域に達した割合と誤差は,大腿骨遠位の矢状面における屈曲伸展角度で36%,伸展1.6°,内外反角度で76%,内反0.1°,大腿骨前方で63%,屈曲0.1°であった.また脛骨近位の後傾角度で81%,前傾0.5°,内外反角度で85%,外反0.1°であった.【結論】大腿骨遠位の矢状面における骨切りはガイドの設置より伸展位となる傾向が強く,骨切りの際には特に注意を払う必要がある.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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