整形外科と災害外科
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外傷を契機に発症したWartenberg症候群の3例
安部 幸雄髙橋 洋平藤澤 武慶末冨 裕田邨 一訓
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2019 年 68 巻 1 号 p. 163-165

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抄録

【目的】Wartenberg症候群は腕橈骨筋―長橈側手根伸筋腱間から表層に走行する橈骨神経浅枝の絞扼性神経障害である.今回,同側手の外傷を契機に発症した Wartenberg症候群の3例を経験したので報告する.【対象・結果】症例は男性2例,女性1例,平均年齢は52歳.先行する外傷は第2~4中手骨骨折,前腕遠位橈側の切創,橈骨遠位端骨折であった.Tinel signは全例,橈骨茎状突起から7~8cm中枢に認めた.受傷後早期に発症し,発症後2~20か月,平均8.7か月にて手術を行った.術後,速やかに症状は消失した.【考察】Wartenberg症候群は前腕遠位橈側から母指,示指背側にしびれ,疼痛を生じる疾患として知られているが,その報告は少ない.外傷を契機に発症した理由は浮腫,リハビリなどにより絞扼が生じたと思われるが明らかではない.神経剥離の結果は良好であった.

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© 2019 西日本整形・災害外科学会
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