整形外科と災害外科
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内側楔状開大式脛骨粗面下骨切り術(open wedge distal tuberosity osteotomy, OWDTO)の周術期合併症の検討
堀川 朝広久保田 健治原 慎太郎坂本 圭河上 純輝
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2019 年 68 巻 3 号 p. 400-403

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抄録

【背景】内側楔状開大式高位脛骨骨切り術は術後に膝蓋大腿関節の変性が発生するとの報告が散見される.我々は膝蓋大腿関節変性を起こさない手技として近位骨片に脛骨粗面を連続させ骨切りを行う方法(distal tuberosity osteotomy,以下DTO)を施行してきた.【目的】OWDTOの周術期合併症を検討すること.【対象と方法】2008年4月から2018年4月までDTOを施行した85例102膝を対象とし,術中および術後早期の合併症を検討した.また合併症なし群(N群)82膝と粗面不安定性・骨折群(T群)20膝を比較・検討した.【結果】創部の深部感染を2膝(1.9%)に認めた.術中に粗面部に不安定性あり8膝(7.8%),術中の粗面骨折11膝(10.8%),術後粗面骨折1膝(0.98%)であった.両群間の年齢,身長,体重,BMIおよび骨切り部の平均開大幅に有意差はなかった.【考察】粗面部での合併症の原因として,粗面骨切り部の固定性不良,菲薄等の手術手技的問題が考えられた.

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© 2019 西日本整形・災害外科学会
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