整形外科と災害外科
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人工股関節全置換術後腸腰筋インピンジメントに対しcup revisionを行った1例
樋口 健吾隈元 真志本家 秀文馬渡 正明
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2019 年 68 巻 4 号 p. 624-626

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抄録

【はじめに】Total Hip Arthoplasty(THA)後の腸腰筋インピンジメントは遷延する鼡径部痛の原因となりうる病態である.今回,本病態に対してcup revisionを行い良好な臨床成績が得られた1例を経験したため文献的考察を加えて報告する.【症例】51歳,女性.42歳時に大腿骨頚部骨折に対しTHAを行われている.51歳頃より階段を上る際や車の乗り降りの際に鼡径部痛が出現した.画像検査では臼蓋前方でcup辺縁の突出を認め,cup前方の腸腰筋周囲に血腫の貯留を認めた.cup revisionを行い,鼡径部痛は改善し経過は良好である.【考察】THA後の腸腰筋インピンジメントに関する報告は散見されるが,臨床での認知度は高いとは言えない.感染やlooseningなどの鑑別は必須であるが,遷延する鼡径部痛を認める場合は本病態を念頭に置いた診療が必要と考える.

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© 2019 西日本整形・災害外科学会
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