2019 年 68 巻 4 号 p. 790-794
当院で保存治療を行った小児脛骨骨幹部骨折の治療成績について検討した.2008年から2017年までに当院で治療を行い,受傷時年齢が15歳未満で,骨癒合まで確認した42例(42肢)のうち保存治療を行った25例(25肢)を対象とした.平均年齢は7.4(3~13)歳,性別は男児15例,女児10例,観察期間は平均15.9(3~77)か月,受傷機転は転倒2例,転落9例,スポーツ8例,交通外傷6例だった.骨折型(AO分類42)はA type 22例,B type 3例,C type 0例だった.11例に腓骨骨折,2例に腓骨塑性変形を合併した.外反変形が7例中2例,内反変形が6例中1例,前方凸変形が1例中0例,後方凸変形が7例中3例に残存した.高学年以降の小児の脛骨骨幹部骨折に対してはより厳密な整復を必要とし,特に後方凸変形に注意すべきである.