整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
同一高位に発生した胸髄髄膜腫・神経鞘腫の1例
藤本 泰毅島袋 孝尚山川 慶金城 英雄當銘 保則金谷 文則
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 69 巻 1 号 p. 195-199

詳細
抄録

【要旨】症例は39歳,女性.1年9ヵ月前より両下肢しびれ,2ヵ月前より右下肢筋力低下が出現し,他院を受診した.MRIにて胸椎硬膜内髄外腫瘍を指摘され当科へ紹介された.両鼠径部以下のしびれ・感覚鈍麻,右下肢腸腰筋以下にMMT3の筋力低下を認めた.MRIでT10/11高位に右腹側にT1・T2で等信号,ほぼ均一に造影される硬膜内髄外腫瘍があり,さらにその左背側には信号強度の異なる腫瘍を認め,脊髄は強く圧排されていた.手術はT10・11還納式椎弓形成を用いて腫瘍摘出術を施行した.術中迅速病理では右腹側は髄膜腫,左背側は神経鞘腫であった.肉眼的に腫瘍を全摘後,硬膜焼灼処置を行った.永久病理結果も術中迅速病理と同様であった.術後3ヵ月のMRIでは腫瘍再発を認めず,術後1年の現在は両下肢しびれ軽減し,下肢筋力も正常である.

著者関連情報
© 2020 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top