整形外科と災害外科
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胸壁に発生した悪性筋上皮腫の1例
黒島 知樹永野 聡佐々木 裕美篠原 直弘中村 優子谷口 昇
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キーワード: 筋上皮腫, 胸壁, 類円形細胞
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2020 年 69 巻 1 号 p. 23-25

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抄録

筋上皮腫は,唾液腺由来の腫瘍であり整形外科で治療することは稀である.今回,胸壁に発生した悪性筋上皮腫の治療を経験したので報告する.症例:64歳女性,約10年前から左側背部の腫瘤を自覚していた.最近の1,2年間で急速に増大傾向にあったため,近医にて肉腫が疑われ当科紹介となった.MRIで皮下から広背筋下にかけて約80mm大の軟部腫瘍を認めた.深部は肋間から胸腔側に突出しており,肋間筋・壁側胸膜への浸潤が疑われた.針生検にて,円形細胞主体,免疫染色で上皮系マーカーが陽性で,肉腫の可能性が示唆されたが確定診断には至らなかった.MIB-1 indexが部分的に20%あり,画像上も浸潤傾向が疑われ,臨床的に軟部肉腫と考え広範切除を施行した.切除後の病理結果は悪性筋上皮腫であった.考察:筋上皮腫は全唾液腺腫瘍の1.5%程度であり,ほとんどが唾液腺原発である.渉猟した範囲では軟部組織原発は122例,胸壁発生は3例とさらに稀であった.

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© 2020 西日本整形・災害外科学会
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