整形外科と災害外科
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当院における変形性膝関節症患者のBone Marrow Lesionについての検討
高橋 建吾海江田 光祥東郷 泰久小倉 雅谷口 昇
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2020 年 69 巻 4 号 p. 928-934

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抄録

変形性膝関節症患者に施行された膝関節MRIの解析を行いBML(bone marrow lsion)について検討を行った.対象は当科で膝関節MRIを施行した286症例,288膝関節.これらに対しX-p上のK-L分類,BMLの有無,BMLスコアリング等について解析を行った.また当科でTKAを施行した32症例,33膝関節についても同様の検討を行った.288膝関節のうちBMLを有したのは49.3%であった.K-L分類別ではK-L1で11.9%,K-L2で50%,K-L3で74%,K-L4で97.9%であった.Boston-Leeds Osteo­arthritis Knee Scoreを用いたスコアリングではそれぞれ平均値でK-L1 4.5点,K-L2 5.5点,K-L3 8.1点,K-L4 11.3点であった.またTKAを施行した33膝関節のうち96.9%にBMLを認めスコアリングでは平均12.7点であった.膝OA患者に手術加療を検討するにあたりBMLの状態を評価することは手術適応の新たな指標になりえる.

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© 2020 西日本整形・災害外科学会
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