整形外科と災害外科
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70歳以上の高齢者における高位脛骨々切り術の検討
原野 理沙城戸 秀彦加茂 健太原口 明久川本 浩大濱 大輝
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2023 年 72 巻 3 号 p. 360-364

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抄録

【目的】高位脛骨々切り術は内側型変形性膝関節症や大腿骨内顆骨壊死に対し一般的に行われている手術法であるが,高齢者には人工膝関節置換術が選択されることが比較的多い.しかし,近年の高齢化社会に伴い,高い活動性の維持を目的にHTOの適応も拡大してきている.【対象と方法】今回,HTOを当科で施行した70歳以上の17例20膝(男性12膝,女性8膝,平均値74.6歳,平均観察期間20.3ヶ月)の術後成績を調査し検討した.検討項目は立位下肢アライメント,関節可動域,JOA score,KOOS,術前術後の活動性,合併症とした.【結果】%MAは平均20.2°から63.3°と良好な矯正角を得られていた.術前後でJOA scoreは有意に改善し,術後の活動性も術前同等に維持できていた.【考察】70歳以上の高齢者に対するHTOは成績良好であった.高齢者であっても,本人の活動性やモチベーションなどを考慮して適応を判断すれば,良好な術後成績が期待できることが示唆された.

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© 2023 西日本整形・災害外科学会
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