2023 年 72 巻 3 号 p. 485-487
【はじめに】観血的整復術を必要とした第2趾のDIP関節脱臼の1例を経験した.【症例】16歳男性.空手中に受傷.第2趾DIP関節脱臼で徒手整復を行ったが整復不能であったため,観血的整復術を行った.整復阻害因子は長趾屈筋腱であり,蹠側板の嵌頓は認めなかった.術後早期の競技復帰希望があったため母趾とのbuddy tapingを指示し復帰とした.術後6か月が経過し特に問題なく競技継続している.【考察】DIP関節脱臼の整復阻害因子は蹠側板や長趾屈筋腱の報告があり,本症例では長趾屈筋腱であった.また,術後のスポーツ復帰について,競技によっては症状次第で早期復帰が見込めると考えられた.