整形外科と災害外科
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大腿骨内側上顆に発生した骨内神経鞘腫の一例
臼井 和樹河野 正典久保田 悠太岩﨑 達也糸永 一朗加来 信広田仲 和宏
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2024 年 73 巻 4 号 p. 865-868

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抄録

神経鞘腫は軟部に好発するが,稀に骨内にも原発する.今回我々は大腿骨内に発生した骨内神経鞘腫を経験したので報告する.症例は64歳,女性.20年前から右膝内側の腫瘤を自覚,数年前から徐々に増大傾向であったが放置していた.最近右膝を捻った際に疼痛を生じ前医受診,骨腫瘍疑いで当科紹介された.単純X線像で右大腿骨内側上顆に辺縁硬化を伴う骨透亮像を認め,MRI T1強調像で等信号,T2強調像で低~高信号を呈する大腿骨から骨外に突出する病変を認めた.針生検を行ったところ病理診断は骨内神経鞘腫であったため,病巣掻爬,同種骨移植,プレート固定術を行った.術中迅速および術後病理診断でも同一の所見であった.骨内神経鞘腫は稀な疾患であり,画像や臨床所見は非特異的であるため病理診断が必要であるが,骨腫瘍の鑑別診断として骨内神経鞘腫も念頭に置く必要がある.

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© 2024 西日本整形・災害外科学会
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