日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
症例報告
転移性肝癌と鑑別が困難であった胃全摘術後の限局性脂肪肝の1例
小竹 優範村上 望木下 静一石黒 要小泉 博志伴登 宏行山田 哲司
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2005 年 102 巻 12 号 p. 1529-1533

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抄録

症例は66歳,男性.噴門部癌に対し胃全摘術を施行.リンパ節転移を認めTS-1を内服.腹部CTで肝S4にLDAと腹水が出現しタキソール静注に変更.8クール終了後腹部CTで,腹水は消失したが肝SOLの大きさは不変.また,内部に血管が通っており転移性肝癌ではない可能性あり.腹部超音波,FDG-PET,腹部MRI検査にて,胃全摘術後に発生した門脈血流低下にともなった異所性還流異常による限局性脂肪肝と診断した.

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© 2005 (一財) 日本消化器病学会
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