2006 年 103 巻 6 号 p. 643-649
症例は58歳,女性.生来健康であったが健診にて肝胆道系酵素の上昇を指摘され受診.精査を行い,血清IgG4は正常,ERCP·MRCPにて胆管の帯状狭窄(band-like stricture)や数珠様所見(beaded appearance)を認め原発性硬化性胆管炎(PSC)と診断した.同時に高脂血症もみられたため初回治療としてbezafibrate 400mg/dayの経口単独投与を行いトランスアミナーゼ,ALP,GGTのすみやかな低下を認めた.PSCにbezafibrateの初回単独投与も有効な治療法である可能性が示唆された.